松原剣道・剣友会


松剣物語

松剣物語

12.諫早真崎剣道会

長崎県諫早市にある真崎剣道会は、松原剣道とは遠く離れていますが、非常に近い関係にある道場です。真崎剣道会の師範をしている山内先生は、獨協大学剣道部のOBで、私や増田先生、熊谷先生の先輩・後輩の関係にあります。

山内先生は、剣道にとても熱心で、大学の稽古だけでは足りずに私が所属していた大義塾道場に入門していました。大学を卒業した後もしばらくは東京にいて大義塾や獨協大学に稽古に通っていましたし、私が松原剣道の師範になった当時には何度か松原剣道の稽古にも来て指導してくれていました。

山内先生は、30年ほど前に出身地である長崎に帰り、地元で子供達の指導を始めました。山内先生の熱心な指導の結果、数年後からは毎年のように長崎県の代表として、道場連盟の全国大会に出場しています。山内先生は上京した際には、必ず大義塾もしくは松原剣道に来てくれて、交流試合や懇親会をしています。松剣の多くの先輩達が練習試合を通して、真崎剣道会の強さはよく覚えていることと思います。

私は、この度(9月1日・2日)大分への出張に併せて長崎まで足を延ばし、15年振りに真崎剣道会で稽古をしてきました。真崎剣道会は週に5回、近くの町立体育館や小学校の体育館で稽古をしています。山内先生は、30年間殆どの稽古を休まずに指導をしています。山内先生は、口癖のように「大義塾と南先輩の稽古をそのまま踏襲して指導しています」と言っていますが、その方法は、松原剣道とでは大分違っています。山内先生は、例え私の教えたものを基礎としていても、長い指導経験を通して先生なりに工夫をして多くのものを取り入れてこられたようです。

山内先生の指導の特色は、学生時代から後輩にも大変人気がありましたが、子供達の気持ちを惹きつけることがとても上手なことです。先生と子供達との間には特別な信頼関係を築いていて、山内先生は稽古中に特にきつい言い方をしたり、厳しい稽古をする訳ではないのですが、先生の一つ一つの指示や注意事項を子供達がとても熱心に聞いていて、嬉々としてその指示に従う姿は、すがすがしささえ感じられました。

松原剣道と真崎剣道の稽古内容を比較して、稽古の質においてはさほどの違いを感じられません。強いて言うならば、先生方へ懸かる稽古としては、むしろ松原剣道の子供達の方が先生方には印象が良いように思います。しかし、相手に対した時のとっさの反応、攻めの工夫、技の豊富さでは、真崎剣道会がかなり勝っています。やはり低学年からの週に5回の稽古量は、自然な動きを作るのに大きな役割を果たしているようです。また、誰しもが勝つから熱心になるし、熱心だから強くもなる、といった相乗効果も働いているように思われます。これは、子供にも父兄にも共通することで、真崎剣道会の父母の熱心さは、松剣に勝るとも劣らぬものでした。

9月3日に福岡で、第3回全国女流剣士優勝大会があり、その大会に中学生3名が参加するとのことで、山内先生と私は、朝4時30分に父兄の運転する車に乗せてもらって、百数十キロを高速道路を飛ばして会場に向かいました。福岡に行くのはこの夏だけでも3回目だそうです。 結果は、中学2年生の部で横尾さん(左)が優勝しました。(添付の写真はその時の3選手と山内先生です)。そうした良い結果が、子供達や父母をさらに熱心にしているようです。

15年前に娘達を連れて諫早を訪問し、山内先生の家族(娘2人、息子1人)とともに稽古をして泊めてもらった時に、私の娘達が、山内先生の家族の生活が自分達の生活とあまりに似通っているのに驚いたそうです。山内先生の30年間に亘っての子供の指導を中心にした生活は、私と同じです。そんな訳で、真崎剣道会と松原剣道はとても近い関係にある道場なのです。今後も末永く交流を続けていくことと思います。皆様もよろしくお付き合いの程をお願いします。

真崎剣道会のホームページはこちらにありますから開いてみてください)