松原剣道・剣友会


松剣物語

松剣物語

9.教訓その1

朝マラソンは子供達の運動不足解消のためばかりでやっているのではありません。私自身の稽古不足を補う重要なトレーニングなのです。したがって、私も子供達と一緒に頑張って走っています。私は、45歳頃までは子供達と走っても常に上位にいたのですが、50歳代になると上位で走ることがかなり苦しくなってきました。それでもランニングは自分の基礎体力を知るバロメータになるために、何時も1/3までに入ることを目安としています。

ところで、スポーツ少年団では、年に2回すべての団員に対してスポーツテストを行っています。その種目の中に「5分間走」というのがありますが、私は時々これに挑戦することにしています。

ある年のこと、6年生の主将に「おい!先生と競争するか」と私から声を掛けました。彼とは朝マラソンで何時も勝ったり負けたりのちょうどいいい仲なのです。

「いいですよ」、「よーし。それならジュースを賭けるか」。悪い先生です、ハイ。こんな会話をしていると、6年生の他の子供達が集まってきて、「僕も!」「僕も!」と参加者が増えてきました。平素、私に勝った事のない子までも一緒になって「僕も」というのです。私は「マー いいか。半分に負けても勝った子供の分を回せばいいのだから」と気楽に考えて皆の挑戦を受けることにしました。

ところが、スタートして驚いたことに、皆がとても速いペースで走るのです。「子供だから、ジュースを賭けたので皆無理をしているな。マイペースでいけば後半に追い越せる」と、私は思っていました。ところがです。何時までたっても誰一人遅くならないのです。結局、結果は私が最下位で、一人で全員にジュースをおごらされることになってしまいました。
と言うことは、朝マラソンで何時も本気で走っていたのは、私一人だったようなのです。

そこで、松剣の「教訓その1」です。
大人は、子供の平素の行動を絶対に信じてはいけません。騙されないように十分注意しましょう。さもないといつか大損害を被ることになるからです。