松原剣道・剣友会


団員の作文

団員の作文

私と剣道
― 中学三年 丹治 友理佳 ―(平成28年度全日本剣道道場連盟主催 作文体験発表)
中学生の部 埼玉県第一位

私が剣道を始めたのは、四歳の時です。当時は、剣道をやっているというより剣道を通して、感じるものを素直に受け入れていただけのような気がします。それと同時に、道場の先生が剣道にまつわるお話を、様々な角度からお話ししてくださることが、とても楽しかったです。もちろん剣道そのものの技術的なことも大切ですが、先日、段審査を受けた時に、改めて剣道に向かい合ってみて、幼い頃に感じたそれらの大切さをジワジワッと感じました。

実を申しますと、私は中学に入学してから剣道部には入らず、テニス部に入部しました。一旦は兼部を希望しましたが、テニス部の顧問の先生にどちらかを選択するように言われ、私が選んだのはテニス部でした。その時、テニス部を選んだからには、テニスで県大会や関東大会に出場できるように頑張らなければと思い、必死でテニスを頑張りました。部活以外にも近所のテニススクールにも通いました。その間、地元の剣道の団体にも所属はしていましたが、剣道の稽古時間もテニスの練習で埋まってしまいました。

けれど、小さい頃から続けてきた剣道です。しかも、中学受験の時も塾より剣道を優先して頑張ってきた剣道です。塾の先生には「いつまで剣道を続けるのか」と何度も言われましたが、結局、受験日以外は剣道を休むことがありませんでした。でも、テニスを始めてから剣道は弱くなり、剣道の仲間達とどんどん差が開いていきました。それでも、合宿や鏡開き、特別稽古などの行事には必ず参加していました。そんなある日、剣道の合宿から帰り、テニス部の部活に行ってみると、レギュラーから降ろされていました。それはとてもショックでした。でもこれが選んだ道です。この道で努力するしかありません。その後も、テニス部でコツコツと頑張り、レギュラーを取り返しました。また、秋と春の学総体の県大会にも出場することができました。

一方で、中学二年生の九月中旬頃、剣道部の方で「女子団体戦のメンバーが足りず、一緒に試合をしてくれないか」というお誘いを受けました。その時は、剣道部の顧問の先生がテニス部の顧問の先生に頼んでくださり、兼部が認められることになりました。それからは、週5日のテニス部、週1日〜2日の剣道部で頑張っています。

そして、これをきっかけに、私にとって、剣道が自分にとってどんなに大事なものかを気づかせてもらったのです。

小学校時代、一緒に闘った友が剣道で活躍している中で、テニスもなかなか上達せず、悔しい思いをしてこともありましたが、反対に考えれば、小学校時の友達が頑張っているからこそ、自分も頑張れたのだと思います。

また、一旦剣道から離れた私を、剣道の先生方の繋がりで、呼び戻してもらえたことに、今、とても感謝しています。

さらには、剣道部初日の稽古で、先生と竹刀を合わせた時、そのピンと張りつめた空気感が、とても心地よかったのを鮮明に覚えています。「私はこの感じが好きなんだ」と再確認しました。そして、その時どんな形であろうと継続することの大切さを痛感しました。

また、剣道の個人戦で県大会に行けた時も、小学校時代に対戦してきた他団体の友に再開し、その友達が温かく迎えてくれたことも、とても嬉しかったです。

私にとっての剣道は、努力、忍耐、集中、出会い、友情、空気感、そして「継続」が加わって、それら全てが人生に繋がり、自分を少しずつ大きくしてきてくれたんだと、今、とても感謝しています。

だから、これから先の人生も、剣道に寄りそいながら、しっかりと自分の道を歩んで行きたいと思います。