松原剣道・剣友会


団員の作文

団員の作文

リーダーに大切なもの
― 6年 高安琉馬 ―(平成26年度全日本剣道道場連盟主催 作文体験発表)
埼玉県予選 優勝・関東大会 優勝(全国大会出場)

六年生になった今年、ぼくは主将になりました。師範の先生から発表があったとき、ぼくはうれしい気持ちもありましたが、この一年とても大変になるだろうと思った自分もいました。

実際主将をやってみると、とても大変でした。主将は先生の指示を聞いて、その言われたことをみんなに正確に指示しなければなりません。しかもぼくは六年生。小さい子の面倒見や号令をかけることもあります。また剣道そのもので手本となるべき存在です。しかし自分が叱られることがたくさんあります。例えば、先生に言われたことが指示通りにテキパキできないことや、稽古中に緊張感が足らず監督から叱られることもあります。そのようなとき、自分に自信がなくなり、落ち込む時もあります。ですがぼくは性格的に長く引きずるタイプではないので気持ちを入れかえて次回はしっかりやろうとか集中してみんなの手本になるようにがんばりたいと思うのです。

ぼくが主将としてがんばり続けられる理由には憧れの先輩の存在があります。一人は女子大生の先輩、もう一人は男子高校生の先輩です。二人の素晴らしい所は優しさと厳しさの両面を持ち合わせていることです。低学年の面倒見もよく、とても明るく話しやすいのです。一方で、いけないことをしたときはきちんと注意してくれることもあります。

夏合宿の夜のリーダー会議で先輩に言われたことがありました。それは「周りをもっとよく見ること」、「先を見通して行動すること」です。ぼくにはそこが足りないんだなあと思い、次の日からスケジュールを見て、やることや時間帯を確認してから行動するようにしました。始めは注意されたことを思い出しながら行動していたのが、少しずつ自然と体が動き、みんなをまとめられるようになっていきました。稽古前の支度では自分の準備をしながら小さい子をトイレに行かせたり、ぼくが小一の子に胴着を着せながら三年生の子に着替えをするように声をかけることを意識しました。「先を見通して行動すること」については、班長会議で発言する一日の中での反省の内容を、みんなが会議に集まる前にあらかじめ考えておき、発言するときに堂々と自分の言葉で言えるようにしました。

夏の合宿をふり返ると充実感があり、全体のまとまりが出たと思いました。ぼくはなぜそうできたかを考えました。一つには下の子をほめたり、楽しくさせて一緒に行動したからだと思います。もう一つには自分自身がまず素早い行動、正しい行動を心掛け態度で示そうとしたからです。こうして考えてみると、「後輩に注意することがリーダーの仕事ではない。リーダーはみんなより先取りをして行動し手本となることが大切だと実感しました。そうすれば自然に下の子たちがついてきてくれるのです。ぼくの道場の師範は何度も「姉弟同行」という言葉を教えてくださいます。そして先生はまさにそれを実行しぼくたちを正しい道に導いてくれます。ともに稽古をしてほめてくれたり、稽古が終わると笑顔ではなしかけたりします。また、先生自身が自分にきびしく稽古に励みぼくたちに態度で手本を示してくれます。

ぼくは師範のようになることはできません。そしてまだまだ注意される事や失敗することがあります。しかし主将をやめたいと思ったことはありません。だからこそ主将としての責任感を持ち 少しでもあこがれの先輩や師範に近づくために努力していきたいです。