松原剣道・剣友会


団員の作文

団員の作文

やりとおすことの価値
― 5年 髙安 琉馬 ―(平成25年度全日本剣道道場連盟主催 作文体験発表)

松原剣道では、暑中稽古と寒稽古があります。それぞれ八日間あるので毎日早朝に起きるのが一番、辛いことです。ぼくは朝四時半に起きています。二つの朝稽古で特に辛いのは寒稽古の方です。外はまだ暗く はく息も白いし、体育館のゆかは冷たくて、たまにしもやけになることがあります。稽古の前のぞうきんがけは 身体が動かないし、頭もまだはっきりさえないのですが声だしからはじまり、切りかえしに入るとだんだん身体 が動くようになります。それでも手と足先の感覚がなく、全身が凍りつくような時もあります。しかしぼくたちは 手をぬいたり、なまけたりすることはできません。先生方には一生懸命さも、いい加減さもすべて見抜かれて しまいます。ぼくたちは南先生や増田先生からたくさんのアドバイスをもらいます。それを聞くと、「よし、次はできるようにやってみよう。」ともう一度やってみたり、一回の面打ちが終わったときにもっと良くしようと自分 なりに考えてやり直してみたりします。言われたことができなかったり、きちんと気合いをいれて声を出してい ないときには怒られるけれど、上手に面を打てたり、竹刀がしっかりと前に伸びたりしたときにはほめられるのでうれしくなります。だからきれいに打って先生のほめられるように心がけたいと思います。

稽古が終わるとぼくは心がすっきりします。朝、目が覚めたときに、「体が重くて動かない。今日は休みたい な。」と思っても、練習を終えるとがんばれたな、稽古にきてよかったなと、いい気分になります。仲間も同じ ように見えます。稽古が始まる前に泣いていた小さい子も終わるころにはにこにこしています。多少いやなこ とがあっても、それをのりこえるとさわやかな気持ちになるのだと思います。しかも一人でがんばるのではなく、みんなでがんばるからこそ、やりとげた後はそうかいな気分も2倍になります。

南先生の言葉の中でくじけそうになった時ぼくがはげまされたものがあります。「稽古にちこくせず、参加することはだれでもできます。しかし、だれにでもできることをやりとおすことは大変です。暑中稽古も寒稽古も そうです。大会でいい成績を残したり、試合で相手に勝ったりすることはすばらしいことです。でも一部の人だけがなしとげられるものです。しかしだれにもできることを最後までやりとおすことはもっと価値のあることです 。やりとげることができる人は立派な人間になります。」という言葉です。その言葉をきくまでは一日一日のことしか考えず、きついとか終わってほっとしたという感覚だけでした。しかし早起きして、雑巾がけをし稽古に 励むこと積み重ねることは一つの大きな力になると思いました。八日間の寒稽古をやり通すと少したくましく なれたような気がします。先輩の中にはぼくよりも、もっとがんばっている方たちがたくさんいます。離れた所 に引っ越しても松原剣道をやめず、始発の電車に乗って朝稽古にくる先輩。自転車を40分もこいでかよう先輩そのような先輩方剣道をがんばっているだけでなく、礼ぎ正しく勉強や仕事にもはげんでいます。すごいと 思います。

先生の言葉はそのとおりだと思い、信じてついていこうと思います。これからも剣道をがんばり努力して物事をやり通す人になりたいです。