松原剣道・剣友会


団員の作文

団員の作文

剣道と私
― 5年 近藤 愛 ―(平成25年度全日本剣道道場連盟主催 作文体験発表)
埼玉県予選 3位

私は、剣道を始めて六年目になります。始めたきっかけは、兄が楽しそうに剣道をしている姿をみてやってみたいと思ったからです。

私は、これまで剣道をやめたいと思ったことは一度もありません。稽古が厳しくて泣いたことがあります。寒 稽古ではあまりの寒さに泣きながら竹刀をふりました。しかし、剣道をやめたいと思ったことはありません。

三才のころ、私は新体操を習っていました。母は娘が生まれたら、ずっと新体操を習わせたいと思っていた そうです。しかし、私は泣いてばかりで、練習場にすら入らず、四カ月でやめてしまいました。母は、
「剣道の方が、寒くて、暑くて、稽古は厳しくて大変なのにどうして新体操より好きなの。」
と言います。

私は、剣道がすきです。はかま姿はとてもかっこいいと思います。面をまっすぐ打ち、一本とれたときの感覚が好きです。道場の先生、先ぱい、仲間が好きです。

しかし、稽古は楽しいことばかりではありません。声が出ていなかったり、集中していないと先生に飛ばされたりします。何度も何度も注意され、それでもできないと泣きたくなります。ある時先生はこんなことを言いました。

「先生でも、先生の先生に同じことを何度も注意されるけど、今でもできないんだよ。」

私は、注意されて落ちこんでいた気持ちが軽くなり、またがんばろうという気持ちになります。

私が剣道を好きな理由に、剣道をつうじてたくさんの友達ができたということがあります。学年がちがっても 、道場がちがっても、面をつければ友達になることができました。

私は今年、九州の真崎剣道の子と知り合うことができました。私の道場のチームと、真崎剣道のチームが 全国大会に出場することができ、その前日に一緒に稽古をする機会があったからです。初めて会うチーム、男の子かな?女の子かな?私はとてもどきどきしていました。練習試合が二試合、十五分ほどの稽古。その日、一緒にいたのはそれだけでした。次の日とてもうれしいことがありました。あの広い武道館で真崎剣道の 子たちが会いにきてくれたのです。昨日初めて会ったのに「あいちゃん。」と言って来てくれたときは、本当にうれしかったです。

今、世界では、二百六十万人の人が剣道しているそうです。もしかしたら外国の人と剣道をとおして友達になれるかもしれません。そう考えるととてもわくわくします。

私の先生は外国で剣道をしてきた話を、私たちにしてくれます。六月にはハンガリーに行き、私たちに話をしてくださいました。

「ハンガリーの人たちは、剣道をまじめに考えていて稽古は厳しいもの、礼ぎ正しいもの、けじめのあるものと 考えて、一生けん命がんばっています。」とおっしゃっていました。その話を聞いて日本人の剣道と外国人の剣道のちがいに興味を持ちました。

私は今まで好きだから剣道を続けてきました。しかし、もし外国人の友達ができて剣道のことを聞かれても 何も答えられないと思います。

いつか、世界の人たちと知り合えた時に、剣道のすばらしさを伝えられるよう、これからも一生けん命稽古を続けたいと思います。