松原剣道・剣友会


団員の作文

団員の作文

剣道から学んだ『ありがとう』
― 5年 丹治 友理佳 ―(平成24年度全日本剣道道場連盟主催 作文体験発表)
埼玉県予選 優勝(関東大会出場)

私は、剣道を始めて、今年で七年目になりました。この七年目でやっと気づいたことがあります。それは、「私の剣道」は、一人だけのものではなく、仲間たち、先生方、そんな自分と一緒に歩んできてくれた「みんなのもの」なのだということです。 このことに気づかされたきっかけは、母の一言でした。

私が得意な面が打てなくて悩んでいる時に、母が「ひとりだけの剣道じゃないんだよ。」と言ってくれたのです。それからというもの色々なことに気づかされています。

最初に頭に浮んだのは、いつも一緒に稽古を頑張っている仲間です。小さい頃は、兄について稽古に来ていたという感じの私でしたが、最近では、一緒に稽古を頑張ったり、試合に出場して共に感動できる仲間ができました。仲間がいてくれたことで、励まされたこと、稽古にくることが楽しかったこと、切磋琢磨する中で、逆にくやしい思いはしたけれど、そのおかげで、自分が成長できたことなど、たくさんの思い出があります。今はそんな仲間の笑顔が、私にとっての頑張る力になっています。

そして私には、小さい頃から私の成長に合わせて色々なことを教えてくださり、いつも見守っていてくださる先生方がいます。剣道のことはもちろん、様々な場面でたくさんの言葉や考え方を教えてきてくださいました。その中でも心に残っている言葉は、「自信をもつ」、「先々の先」、「声を出す」の三つです。

一つ目の「自信をもつ」は、ある時、先生から質問されたことに対して、答えに迷いながらも、勇気を出して発言してみた時、答えはまちがってはいたのですが、先生が「自信をもって発言してえらいね。」とほめてくださいました。その時、恥をかくことを恐れないで、一歩前へ踏み出すことの大切さを学びました。だから、学校でも、色々な係に挑戦してみたり、積極的に発言できるようになったのだと思います。

そして、二つ目は「先々の先」です。剣道では相手と勝負するためのものですが、勝負ではなく「相手の様子を見て動く」という意味で、私はこの言葉を、下級生を見てあげることにあてはめています。できるだけ早く稽古に来て、下級生の様子をみながら、その下級生ができないギリギリのところまで待って教えてあげられるよう、心がけています。次の時に、それができるようになった下級生を見ると、とてもうれしいのです。

三つ目の「声を出す」は、「元気・やる気・その気」という言葉からたどりつきました。元気もやる気もその気も、声を出すことが大切だからです。今では、挨拶などで大きい声で挨拶をすると、先生方に「いいね。これからも続けてね。」とほめられるので、とてもうれしいです。稽古でも、大きな声を出すことで、充実した時間にすることができています。

そしてさらには、お母さんたちが、一生懸命、稽古の場所を作っていてくれているからこそ、私たちが剣道を続けていられるということの有り難さを、去年の震災の時に強く感じました。

こうやって、みんなに支えられてできている「私の剣道」です。今まで支えてもらった分、今度は自分が誰かを支えてあげられる人間になりたいです。

まだまだ、得意な面の復活は、はたせていませんが、これからもがんばっていきます。

そして、来年は、最高学年の六年生になります。きっと剣道から学ぶことが増えると思います。そう思うと、これからが楽しみです。

このように剣道をやっていたからこそ知ることができたものを、自分の「自信」にかえてもっと大きく、強い心の持ち主になれるよう、たん練を続けていきたいと思います。

今まで、支えてきてくれたみんな、『ありがとう。』