作
文団員の作文
団員の作文
心を一つにして乗り越えよう
― 6年 近藤 樹 ―(平成23年度全日本剣道道場連盟主催 作文体験発表)
埼玉県予選 優勝(埼玉県少年剣道錬成大会)
平成23年3月11日、東日本大震災が起こりました。地震の影響で家がくずれ、津波で建物が流されたくさんの人々が被害にあいました。また福島第一原子力発電所で水素爆発がおき、放射能がもれ、福島県の人々が家に帰れなくなっています。
地震発生後、テレビをつけるとどの放送局でも地震のことについてニュースが流れていました。ぼくは最初はまったく状況が分かりませんでした。でもだんだんどんな事がおきているのか分かってきました。計画停電で電気が使えず不安を感じたり、しばらくの間、稽古ができなかったりしましたが、身の周りの環境はあまり変わりませんでした。なので被災地の人々が大変なめにあっているという実感は、あまりわかずに他人事(ひとごと)でしかありませんでした。
そのあと、被災地の人々を助けようと行動を起こしたのは震災後休みになっていた稽古が再開されたときのことでした。ぼくの通う松原剣道師範の南先生が
「被災地では剣道がやりたくても道場や防具が津波で流されてできない人がたくさんいます。同じ剣道をやる仲間として何かできることはありませんか。」と提案しました。道場のみんなと話し合った結果、募金を集めて被災地に送る、メッセージを書いて被災地に送るの二つを行うことに決まりました。募金は試合や道場で募金して回り、被災地の道場に送りました。また道場のみんなでメッセージを書いて励まそうということになりました。それぞれ被災地のことを思いながら、応援のメッセージを書きました。ぼくは「負けないで」という文字を書き、それを被災地の人に送り、さらに松原剣道のホームページに載せました。その言葉は、「世界中の人々が被災者を応援しているので震災に負けないで。」という思いをこめました。
ぼくたちがやったことは小さなことですが、少しでも被災者に元気になってもらいたいと思いました。
ある日南先生が、
「あなたたちが行った募金やメッセージを送ることはとても善いことです。剣道の目的はそのような思いやりのある人になることが大事なのです。」、とおっしゃいました。確かに剣道は強くなることも大事ですが、もっと大事なのは 礼儀や心をきたえることが大事だという教えです。では心を鍛えるとはどういうことなのでしょうか。
平常心という言葉があります。この言葉の意味は死に直面した時でさえ、その環境を喜びとし常と変わらぬ行動ができ心です。地震がおきた時日本中はパニックになりました。でも、その中で冷静に行動する、つまり平常心の心を持って行動したために助かった人はぼくは少なくないと思います。 では何かが起こった時に、平常心でいられるにはどうしたらよいのでしょうか。平常心でいられるには心を強くもたなければなりません。そのためには楽をしてはいけないと思います。大変なことややりたくない事でも、きちんと向き合い、一つ一つのりこえていけば、心は強くなり、平常心でいられるようになれると思います。
僕は今、右手首をねんざしているため、竹刀もふれず思うように稽古ができません。大将に選ばれていた試合にも出る事ができませんでした。そのため、周りの人にめいわくをかけてしまいました。竹刀がふれないので稽古を休みたいと思うこともありましたがが、主将としてどう行動すればよいのか考え稽古は一日も休みませんでした。自分の行動が正しいかどうかはわかりませんが、常に周りを見て責任のある行動がしたいと思いました。
これからもどんな困難があるかわかりませんが、逃げ出さずがんばっていきたいと思います。