作
文団員の作文
団員の作文
剣道を続けて
― 橋本 幸也 ―(平成21年度全日本剣道道場連盟主催 作文体験発表)
ぼくは、小学校一年の時に松原剣道スポーツ少年団に兄といっしょに入りました。剣道が好きというわけではなかったのですが、初めはいっしょに入った仲間がたくさんいたので楽しく、けい古もいやではありませんでした。
松原剣道には、暑中げい古、夏合宿、寒げい古などもあります。特に、寒げい古は早朝の気温が0度以下の中、床がとても冷たく、八日間連続で行くというのは、とてもつらいことでした。それでもいっしょにがんばれる仲間がいたので、ぼくも皆勤することが出来たのだと思います。先生も、大会で勝った賞状よりも、こういう皆勤の賞状の方が価値があると教えて下くれました。ぼくは、六年生になる今まですべて皆勤賞をもらっています。
しかし、だんだん学年が上がると、今までいっしょにやってきた仲間が剣道をやめてしまい、ぼくもやめようかと思ったこともありました。大会に出ても、一度も勝ったことはないのでおもしろくありませんでした。四年生で出場した個人戦で、面を取って勝って、先生にほめられました。この勝ちがきっかけで、また剣道は楽しいと思えるようになりました。五年生になるとさらに勝てるようになり、少しずつ自信がついてきました。そして六年生になり、ぼくは主将になりました。主将になった以上は、今までの主将に負けないようにしっかりとけい古をし、自分が強くなることと、団員を引っ張って行かなければならないと思いました。そのために、まずぼくが心がけた事はいつも大きな声で号令をかけることです。それは、ただ大きな声を出せ ばいいというわけではなく気を入れた声を出すことが大切なのでそれを意識しています。
次に、ぼく達六年生は、全国大会の基本の部に向けて特別げい古を始めました。基本のけい古は、自分が思っていた以上に大変でした。今までに付いていたくせを直さなければならなかったからです。ぼくのくせは、体当たり前にうでを引いてしまう事と、打ちが少し弱い事です。何度も注意されながら直す努力をして来ました。
そしてむかえた全国大会基本の部の当日、ぼくは、大将として試合に挑みました。しかし、一回戦目に一本差で負けてしまいました。ぼくは、一本勝負では勝ちましたが、基本判定試合では、相手に旗が三本共上がってしまったため、勝つことが出来ませんでした。とてもくやしい思いをしました。基本を大切にして、仲間とがんばって来たのに、大将のぼくが基本で負けたことは、チームにも大きなショックを与えてしまったと思います。ぼくは今でも、その時のショックとくやしさを忘れてはいません。試合で勝てても基本がしっかり出来ていないとまだまだ強くなったとは言えないと思いました。それと、自分は先ぱいなのだからもっと基本を大切にするきれいな剣道で後はいたちの見本になりたいと思います。
これから先の一回一回のけい古や試合で基本を大切にしてどんどんがんばって行きたいです。