作
文団員の作文
団員の作文
剣道は本当に素晴らしい
― 辻本 大海 ―(平成20年度全日本剣道道場連盟主催 作文体験発表)
僕が剣道を始めたのは、小学校1年生のときです。
理由は、とても気が弱くて、学校ではいつもみんなからいじめられていたからです。もっと強い自分に早くなりたい、いつもそう思っていました。心配したお父さんとお母さんが相談して、「大海、剣道をやろう。」と、言われ、意味が分からないまま松原剣道の道場に連れてこられました。
そこで僕は、初めて、剣道の稽古を見ました。「ヤッー。」と言う気合いに、びっくりして、すごいところにつれて来られたんだなあーと、心配になりました。
そこで、南先生に初めて会いました。はじめはきびしく怖そうな先生に見えましたが、ぼくにやさしく教えてくれて安心しました。その日からぼくは、剣道を始めることにしました。
稽古を始めたばかりの時は、緊張していつもおこられている事しか覚えていません。たまにほめられても、どこが良かったのかが、よく分からないまま続けていました。つらくて、くやしい毎回の稽古でしたが、強い自分になる為にがんばりぬきました。
剣道をはじめて半年になったころ、初めて道場の月例試合に参加することになりました。結果は負けで、くやしさだけが思い出になっています。みんなは賞状をもらっていいなあといつもうらやましがっていました。家で、素振りの練習をして、初めて月例試合で一本を、とった時はうれしくてうれしくてお母さんにすぐに報告しました。
3年生、4年生になると、稽古の内容がもっときびしくなり、僕は、体力があまりないので、すぐにバテてしまいました。掛かり稽古は本当にきつくて、先生から怒鳴られながら、何とかやりぬきました。この時は、死にそうなくらいきつかったので、本当に剣道をやめようかと思いました。でも、先輩や、仲間ががんばっているのを見て、考え直し、走って運動をしたり、ご飯をたくさん食べて体力をつけるように努力しました。
僕が、つらい稽古を続けられたのも、先輩や仲間がいつもまわりにいてくれたことです。
はじめは強そうで、こわそうな先輩でしたが、いつも親切に指導してくれました。本当は、稽古では厳しい素晴らしい先輩です。また、いつも冗談を言いながら、一緒に稽古をしてくれる仲間と、本当の友達になれたことで剣道に行くのが楽しくなりました。
そのおかげで、つらい寒稽古や、暑中稽古、朝稽古や残り稽古に、挑戦しやりぬくことができました。寒稽古や、暑中稽古で、皆勤賞をもらった時は自分は本当に強くなったんだと感じました。
今は、上級生になりさらに厳しい稽古内容となっています。毎回先生方に注意され、ビシビシきたえられています。
でも、これは先生方がぼくにもっともっと強くなってもらいたいからだとわかってきました。そう思うと、毎回、厳しい稽古ですが、早く強くなって、先生に喜んでもらえるような選手になりたいと思うようになりました。
僕が大事にしている南先生の指導は「百里の道は九十九里をもって道半ばとする。」と言う言葉です。どんな努力も最後の最後まで全力でがんばりぬかなければ、努力の半分にも行かないと言うことです。
僕はこの言葉のとおり、何事も決めたら最後までやりぬくつもりです。
学校では、友達も増えて、今では、毎日が楽しく元気に過ごしています。弱かった自分が強くなり、剣道を通してよい仲間が増えました。つらいと思うときもありましたが、僕は剣道をやって本当に良かったと思いました。
剣道は、本当に素晴らしいです。