松原剣道・剣友会


松剣物語

松剣物語

5.剣道形

10月6日の日曜日に草加市スポーツ少年団の剣道交歓大会がありました。

今回は松剣が当番であったので、選手宣誓、団員綱領、そして剣道形を披露しました。
普通の大会では、剣道形の披露は、大会を代表する先生方が打たれるのですが、松原剣道は、20年以上も前から子供達に打たせることにしています。

そこで、1ヶ月以上前から週に4回以上も特別稽古をして、徹底的に教えます。子供達には、特別稽古に入るときに、「歌舞伎やバレエの世界では、演じることだけで人からお金を取っています。よいものにはお金を払っても見に行きたいと人に思わせるものがあるのです。

人の前で披露するということは、ただ上手にできたということだけでは駄目なのです。人がお金を払っても見てよかったと思わせるもの、感動させるもの、美しいと感じるものがないといけません」と言って特別稽古を始めます。今年の6年生は10人。中には、これまでの試合で一度も勝ったことも引き分けたことも無いとても不器用で物覚えの悪い子もいます。そんな子にも絶対に手抜きをしないで教えるのです。

その結果、当日の演武は今までの稽古の中でも一番いい形をしかも美しく演じてくれました。何人ものお母さん達が目を潤ませて見てくれていました。私の趣味はバレエ鑑賞です。バレエでの経験がこんな風に、剣道の世界にも生きていると感じました。

帰り際に、一番厳しく指導してしまったもの覚えの悪い子供が、わざわざ私のいる審判席まできて、「先生、さようなら」と言ってくれた時には、私も思わず返す言葉がでませんでした。子供達もよかったけれど、親もそして私までも感激させられたとてもよい一日でした。