松原剣道・剣友会


団員の作文

団員の作文

「六年生になって」
― 6年 石田 陸 ―(平成25年度全日本剣道道場連盟主催 作文体験発表)

ぼくは剣道を始めて今年で三年になります。今年はもう六年生です。今までは下級生だったので先輩方にお世話をしてもらったり、アドバイスをしてもらったりしていました。でも今度はぼく達六年生が先輩として低学年の子達の面どうを 見たり、すぐ下の学年の五年生や四年生の子達に高学年としてやるべきことを教えてあげなければなりません。いつも 頼っていた六年生の先輩も中学生になってしまったのでぼく達がこの松原剣道を引っ張っていかなければなりません。 こういう風に周りの環境が大きく変わり始め、剣道に対する心の持ち方も少しずつ変わり始めました。けい古はもちろん、 特に六年生としての意識を感じさせられた出来事がいくつかあります。

まずは全日本剣道道場連盟主さいの全国大会です。この全国大会は埼玉県の全国大会予選を勝ち抜いてベスト16 に入らなければ出場することができません。去年も全国大会のメンバーに入れてもらいました。しかし五年生だったので 「失敗してもまた来年がある。」というような気持ちで試合をしていました。そういう中途半端な気持ちで試合をしたために 全国大会にはいけたものの一回戦負けという残念な結果でした。そして六年生になりぼく達にとって最後の全国大会予 選会となりました。ぼくは先鋒という立場でメンバーに入れてもらうことができました。去年は副将という立場で試合に出 たので一番最初に試合をする人の気持ちはあまりよく分かりませんでした。なので今年先鋒をやらせていただいて試合 の流れを作る非常に重要な役目なのだなあ、と思いました。そして試合ではベスト16に入り全国大会出場を決めること ができました。全国大会では一回戦を勝ち抜き二回戦目まで進むことができました。「負けても勝ってもこれが最後。」 という気持ちで試合にのぞんだために去年よりも良い成績を残せたのだと思います。中学生になっても全中などいろい ろな大会があります。どの大会もちゃんとした気持ちでできるだけ良い成績が残せるようにがんばりたいと思います。

次にリーダー研修会と松剣合宿です。まずリーダー研修会は埼玉県のまだしゃべったこともない、顔も知らないような 子達と一泊二日同じ班で行動します。ぼくは班の班長でした。このリーダー研修会は基本的には五、六年生が参加しますがぼくの班は四年生が三人、五年生が一人、六年生のぼくが一人の班でした。年齢は違いましたが、すぐになじめて 友達になることができました。でもけい古はそんなに甘くありませんでした。とてもきびしく三回のけい古だけで素ぶりを 五百本以上ふりました。そのきびしいけい古の中である先生が発した言葉が心に残っています。それは
 「あくびなどかみ殺せ。」

ぼくはこの言葉を「集中していればあくびなどしているひまなどない。」という意味だと思いました。“リーダー”としていつも集中していなければいけないということを学びました。

次に松剣合宿です。松剣合宿では幼稚園の子から高学年までが一泊二日一緒に過ごします。ここでもまたぼくは班長でした。リーダー研修で班長を経験したおかげかそれほど苦労することのない合宿でした。合宿が終わり合宿に行く前 よりも成長した後輩を見るととても嬉しくなりました。この合宿には中学、高校にいっても参加し続けたいと思います。さら に後輩にも下級生の子の世話をちゃんと見てあげられるような立派な先輩になってほしいと思います。

ぼくは六年生になって低学年のときには無かった貴重な体験を積むことができました。六年生の残り約半年間を悔いのないように一生けん命がんばりたいと思います。